幼なじみの彼とわたし
そんな昔のことを思い出しているうちに、朝ごはんもできて、麻ちゃんといずみんも起きてきた。


「おはよう」

って言っても、もうお昼前だけどね。


「朝ごはん作ったんだけど食べる?」

「食べる食べるー!」
「ごめんねー、作ってもらっちゃって」


白いごはんと野菜たくさんのお味噌汁、あとは焼き鮭と卵焼き、お豆腐を出した。


「「いただきまーす」」

「おいしいー!」
「やっぱり亜衣紗の料理は絶品よねー!」


料理は大学で独り暮らしを始めてから勉強した。

最初はなかなか苦戦していたけど、ある日を境に好きになり毎日自炊するようになったら、だんだんと腕があがってきたかんじだ。
簡単な料理だけど、おいしいって言われるのは嬉しい。


ピンポーン♪
玄関のチャイムがなる。

モニターを見てみると遥ちゃんの姿。


「あ、遥ちゃん。今あけるね」

バタバタと玄関に走って行き、鍵とドアを開ける。


「おぅ、亜衣。今日さぁ、お昼…」

と言いかけたところで、玄関の靴に気がついたようす。


「誰か来てるの?」

「うん、麻ちゃんといずみん。とりあえずあがる?」


玄関で立ち話もなんだし、と遥ちゃんを家にあげる。
よく来ているから、遥ちゃんにとっては勝手知ったる他人の家だ。
わたしより先にリビングまで歩いていく。


「二人来てたんだー」


突然の遥ちゃんの登場に、リビングのローテーブルで朝ごはんを食べていた二人はびっくりしている。
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