幼なじみの彼とわたし
遥ちゃん…!
嬉しい。


お父さんはうんうんと頷きながら少しうつむく。
その隣でお母さんは「待ってるわ」と優しい笑顔を向けてくれた。


ありがとう。
遥ちゃんもお父さんもお母さんも。


そのあと、遥ちゃんのご両親にも挨拶に行くと満面の笑みで受け入れてくれた。


「この子、ずーーーっと亜衣紗ちゃん一筋だったからね。ストーカーになるんじゃないかって心配してたくらい。だから、嬉しい!!」


遥ちゃんママはそう言ってくれた。
遥ちゃんパパも隣でうんうん、と頷いてくれていた。

よかった、受け入れてもらえたみたい。


それぞれの実家で大晦日、元日を過ごしたあと、二人で初詣に行く。

ふたりでお賽銭をして手を合わせる。

いつもは「1年間ありがとうございました。今年もよろしくお願いします」と心の中で呟くだけだけど。
今年はそこに「遥ちゃんとたくさん過ごせますように」も加えてみた。

ちょっと欲張ったかな。

顔をあげて隣を見てみると、遥ちゃんはまだ手を合わせて目を閉じている。

まつげが長くて横顔も美しいなぁ。
なんて見ていたら。


「亜衣、見すぎだから」


バレてたみたい。
遥ちゃんは目を開けると「行こうか」と、わたしの手をつないで歩き始める。

寒いけど手はあったかい。

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