幼なじみの彼とわたし
「お守り買う?」


見てみると、お守りを買うところは参拝客でいっぱいだ。
でもやっぱり買いたいかな。


「買いたい」


そういうと、遥ちゃんはつないでいた手を離し、わたしの腰に手をまわしてきた。

これは初めてだ。

遥ちゃんと密着する格好になり、一気に体中が熱を帯びる。

そんなことは気にしていないのか。
遥ちゃんは少し屈んでわたしの耳に顔を近づけて「どのお守りにする?」と聞いてくる。
人が多いことを考えての行動だとは思うんだけど。

信念早々心臓が持たないよ。。。

そんなわたしの様子を知ってか知らずしてか。


お守りの種類をいろいろ教えてくれる。
背が高いから案内板がよく見えるらしい。


「どれにしようかなぁ」


迷ったあげく、福守と書かれたお守りを買う。
遥ちゃんも「じゃあ俺もオソロで」と、同じものを買っていた。



「あとは、おみくじだね」


おみくじ売り場に行ってみても、ここもまた行列がすごい。

遥ちゃんとの密着もこのままだ。


ガラガラガラ

出てきた棒を見てみると『1』と書いてある。
遥ちゃんは『16』。

急いでおみくじ売り場を離れて、人気のないところに行っておみくじを広げる。


「お、大吉だって」


遥ちゃんがそう言っておみくじを見せてくれる。
わたしもおみくじを広げてみると、『大吉』と書いてある。
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