幼なじみの彼とわたし
そんなある日、千尋から電話がかかってくる。


「亜衣紗?今度バレンタインあるじゃない?」

「うん」

「遥平くんのどうするの?」


そのことか。


「バレンタインは就職してからずっと手作りだから、今年も手作りかな?」


何気なくそう答えると。


「え?今までずっと手作りあげてたの!?」


びっくりしているような声が返ってくる。


「そうだよ。1回作ってあげたら、毎年手作りがいいって言ってたし。作るの楽しいよ?」

「亜衣紗は好きだもんね、そういうの」

「まぁね」

「買いに行くなら一緒に行かないかなぁと思ったんだけど。そっか、手作りか」


手作りじゃダメだった??


「千尋も一緒に作る?」

「いいの!?助かるー!!」


何気なく聞いたつもりだったんだけど、ものすごい勢いで返事をしてきた。


「千尋、料理苦手だったっけ?」

ふと疑問に思う。


「うーん、最低限できるかな、ってレベル。手作りチョコなんてハードル高すぎでなかなか気がのらない。亜衣紗が一緒なら絶対作る!!」


そんなの、千尋が作ったものなら森田さんも喜んで食べてくれると思うんだけどな。



バレンタインのチョコを作ることが決まって、ホッとしたらしい千尋。
爆弾投下してくる。

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