幼なじみの彼とわたし
先にお風呂に入るよう言われ、一旦指輪を箱に戻し、お風呂かは出てきてまた箱に入ったままの指輪を眺める。
シンプルだけどかわいい。
わたしの大好きなデザインだ。
夢かと思ったけど、夢じゃないんだなぁ。


「気に入ってくれた?」

お風呂から出てきたらしい遥ちゃんの声。
もちろん、とにっこり笑って首を縦に大きくふる。


「よかった。指輪に見とれてるところ悪いんだけど、今度は俺の相手もして?…奥さん」

「え?」


指輪の箱は遥ちゃんの手によりテーブルの上におかれ、わたしは宙に浮く。
ベッドに運ばれると、わたしの上に遥ちゃんはまたがり見下ろされる格好になる。


「亜衣。大事にする。だから、、、今日俺のものになって?」


俺のものって、、、
そういうこと?だよね?
遥ちゃんは、今まで見たことないような男の顔をしている。

もちろん、心はずっと前から決まってる。
でも、なんて返事したらいいんだろう。
うん、も、ううん、も何も言えず、ひたすら遥ちゃんの顔を見ていると。


「ダメ…?」

その声もその顔も反則だから。
色気がだだ漏れとはこのことなんだろう。


目の前には私を見おろす遥ちゃんの顔。
その色気だけで意識を失いそうだ。


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