幼なじみの彼とわたし
「亜衣が触れてくれて嬉しい。あと腕を首に回してくれても嬉しいかな」


そんな声が聞こえてきて、顔を見ると意地悪そうな顔をしている。


「もう!」

ぺちっと胸元を軽く叩くと、遥ちゃんはまたふわっと笑った。

と思ったらまた身体中に甘い刺激が次から次へとやってきて戸惑う。


もうそこからはほとんど覚えてない。
覚えているのは、少しの痛みととても幸せな気分に包まれたことだけーーー。


いつの間にか眠ってしまったみたい。
まだ外は暗い。
目が覚めて隣に遥ちゃんの存在を感じて。
状況を確認したあと思い出して勝手に恥ずかしくなる。


「亜衣、目が覚めた?」

落ち着きなくあわあわしているわたしに、ふふ、と笑いながら聞いてくる。


「あ、うん、ごめん、寝ちゃったみたいで」

「いいよ。どう?体は。しんどくない?」

ちょっと重たい感じはするけど、しんどくはない。


「大丈夫。すっごい幸せ」

「俺も。すっごい気持ちよかったし」

「…///」

遥ちゃんはいたずらっ子のような顔で言ってくるから、また思い出して顔が一瞬で赤くなったのがわかる。
急いで布団を頭まで引っ張りあげて顔を隠すと。


「もう1回いい?」

「はっ?」


せっかく布団の中にもぐったのに、布団をガバッとおろし顔を出してしまった。

もう1回って…、えっ?
ちょっと待って。
もう顔が真っ赤なのが自分でわかる。


「うそうそ、ごめん。このまま寝よっか」

わたしの体を抱き締めるように寝始めた遥ちゃんを見て、この上ない喜びをかんじた。

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