幼なじみの彼とわたし
「まだ付き合い始めたばっかりだけど、ずーっと前からお互い好きだったんだろ？もうお互いを知りつくしてんじゃねぇの？」


まぁな、俺が亜衣の前で堂々とした男を演じてるってこと以外は何でも知ってるだろう。


「そうなんだけどさ。でも…」

「ほら、そういうとこな。千尋も言ってたけど。遥平はどんたけ小心者なんだって。そんなんだから幼馴染みの空気のままなんだって」


悠希とはまだ何回かしか会っていないけど、俺に厳しくないか？
千尋の影響か？

というより。


「今日はそれを言うために誘ったのか？」


責められていることに居心地が悪くなって話題を変えてみる。


「あ、いや、まぁ発破かけようと思ったのもあるけど。俺、千尋にプロポーズしようかと思って。まだつきあって数ヵ月だけどな」

「え？」


驚いた。
スピード婚ってやつか？
でも、なんで俺にその報告？


「なんか遥平には報告しておこうと思って。それに遥平に会ったら背中押してもらえそうな気がしてさ」

「なんだそれ」


俺が背中をおす？

頭の中に疑問符が浮かんでいると、悠希は「自分には千尋しかいないから早く自分のものにしたいが、やっぱり期間のことやその他いろいろと不安もあるんだ」と補足してくる。


「こんな情けない話できる相手ってなったとき、遥平が浮かんでさ。俺ら同士みたいなもんだろ？」


情けないのレベルが違いすぎるだろ。
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