幼なじみの彼とわたし
3月

side 亜衣紗

3月のはじめに、やっと千尋と予定があった。


電話では報告しあっていたけど直接顔を見るとまた嬉しさ倍増だ。


「「おめでとう!!」」
「「ありがとう!!」」


お互いにお互いの結婚を喜びあう。


「いやー、あの遥平くんがねぇ。信じられないわ」


千尋は未だに遥ちゃんがプロポーズしたことが信じられない様子。


「亜衣紗は知らないと思うけどさ、高校大学とほんとに大変だったんだから」

「大変って?」

「自分で告白する勇気もないのに、他の男が亜衣紗に寄ってきてないか過剰に心配してさ。わたしにボディガードと報告係頼んでくるし。去年亜衣が失恋したーなんて言った日には、泣きそうな声で電話してくるし」

「あの遥ちゃんが?」


そんなこと全然知らなかった。


「そう。全然クールなんかじゃないからね。亜衣紗のことになるとほんとに別人になるんだから。亜衣紗って、ほんとに一途に愛されてるよね」

って言われても信じられないけど、千尋の様子からしておそらく事実なんだろう。
へぇ、あの遥ちゃんがねぇ。


「で、いつ籍入れるの?」


千尋が聞いてくる。


「あ、3月になったからもうすぐ。今度の大安の日。千尋は?」

「早!まぁね、あなたたちには長ーーい歴史があるからね。こっちはまだ未定。交際歴短いし」

「11月くらいだっけ?付き合い始めたの」


ふたりで報告してくれた日を思い出すよ。


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