幼なじみの彼とわたし
「麻ちゃんの結婚願望ってすごいんだね」

「ほんとほんと。でも、新しく彼氏できたらしいから、まだ心が保たれてるんだろうけど」


麻ちゃんに彼氏?
知らなかった。


「麻ちゃん彼氏できたんだ。よかった」


何ヵ月も前だけど、麻ちゃんに森田さんが好きって言われてたの放置してしまってて。
しかも、その森田さんも結婚するから。
罪悪感というかずっとひっかかりがあったのも事実だ。


「よし、決めた!わたし、逆プロポーズする!」

「え?」


するといずみんは「思い立ったが吉日」とバッグからスマホを取りだし電話を掛け始めた。


「もしもし、直人?」


相手は加藤くん?
もしかして今電話でプロポーズ?


「話があるから迎えに来て」


とだけ言って切ってしまった。


「いずみん?」


声を掛けると、「早く片付けよう!」と片付け始め、加藤くんが到着すると「がんばってくる!」とそそくさと帰っていった。


呆気にとられてしまったことは否定しないけど、酔った勢いだけじゃないことを願いたい。


後日聞いてみると、酔った勢いで言いかけた逆プロポーズは、言う前に加藤くんに口を塞がれ「タイミングをみて俺から言わせて?」と言われたんだとか。

いずみんの結婚ももうすぐかな。

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