幼なじみの彼とわたし
わたしの反応を見て遥ちゃんはもう一度「チュッてして」とほっぺをつんつんしながら、今度は膝を曲げてわたしと同じ高さくらいになってる。


ちょっと待って。

とりあえず、きょろきょろしてみるけど、駐車場の端のほうにいるわたしたちのまわりには誰もいなそうだ。
シチュエーション逆なんだけどな、と思いながら覚悟を決める。

いつも遥ちゃんからしてくれるから、わたしからするのは初めてかも。
ふぅーっと息を吐いて、遥ちゃんの肩に手を乗せて遥ちゃんの唇に自分の唇を重ねる。

ちゅっと触れるだけのキス。


「これでいい?」

最後に「遥平」と付け加える。


遥ちゃんの顔をちらっと見ると、そのままの姿勢で目をパチパチさせている。


「ヤバい」


そう呟いたと思ったら、「早く帰ろう」と急かされる。


「亜衣からのキスと遥平呼び、けっこうくるな」


ぶつぶつ言っているのがわずかに聞こえてくる。


遥ちゃんが今日からわたしの旦那さま。
おそらく自分でも気づかないうちに遥ちゃんのことずっと好きだったんだよね。
そして、今日も明日も明後日も…。

ずっと大好きなんだ。

Fin.
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