幼なじみの彼とわたし
「なんか、あの二人帰るの突然だったな。ごめん、俺邪魔したよな」

「あ、ううん、全然。昨日のお昼からずっと一緒だったし、朝ごはん食べたら帰る予定だったから大丈夫」


それより、あの二人の態度気になるなぁ。
わたしが寝ぼけてるとき、何か話したんだろうか。


付き合ったことがないというところから始まり、好きな人とか聞かれてたような…
あとは………


あーーー、全然思い出せない。



まぁいいや。それより。


「お昼でしょ?どうする?何か作ろうか?」

「そうそう、そろそろ亜衣の手料理食べたいと思って来たんだ」

にこっと笑う遥ちゃんはかわいい。
あの顔で言われたら作らないわけにはいかないじゃない。

「何食べたい?買い物行かないと何もないの」

「んー、ミートソースのパスタかな。亜衣の手料理ベスト3に入るくらい好き」


いつもリクエストしてくれるから知ってる。
なのに、表情筋が緩んでくる。


一人で買い物に行くつもりだったけど、「俺も行く」と、ふたりで近くのスーパーに一緒に歩いて行った。


スーパーにつくまでは、わたしの隣を歩幅を合わせて歩いてくれて。
スーパーの中ではわたしの後ろをカートを押しながらついてきてくれて。
帰りは荷物を持ってまたわたしの隣をペースをあわせて歩いてくれる。


我が幼なじみながら、本当に優しい男だと思う。
本人には言わないけど。


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