幼なじみの彼とわたし
食材が揃い、男性陣が次から次へと焼いていく。

見守る係に徹したらしい麻ちゃんが近くで指示をだしながら見ている。
近くに行き「大丈夫だった?」と聞いてみる。


「あ、うん、ごめんね。大きい絆創膏ももらっちゃった」

左手の中指をつきだして絆創膏を見せてくる。


「ううん、全然いいよ。これにおさまるくらいの怪我でよかったね」

「うん、ほんと。でも、にっしー、めっちゃ優しかったー。いつもあんな感じなの?あれは惚れるわー」


麻ちゃんが遥ちゃんに?
いつもあんな感じかと聞かれても、指を切ることがないからわからない。


「へぇー」

全然言葉が出てこない。
そこへモーリーが飲み物を持ってきてくれる。


「飲むだろ?」

「もちろん!」

麻ちゃんはビールをもらっている。

わたしもビール、と思って手を伸ばしかけて、遥ちゃんが車を運転して来てくれたことを思い出す。
遥ちゃん飲めないからなぁ。


「わたし、烏龍茶にしようかな」

え、という顔のモーリー。
モーリーは烏龍茶は持ってなかったから、自分で取りに行く。


「「「かんぱーーーい!!」」」


乾杯をしたあと、それぞれ食べる。
おいしいー!!
外でみんなと食べるとおいしさ倍増だ。


「亜衣、食べてる?」

「あ、うん、食べてるよ」

遥ちゃんはいつの間にか首にタオルを巻いている。
額にも汗が光っている。
焼くのは熱いよねー。

< 31 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop