幼なじみの彼とわたし
「亜衣も疲れただろ?寝てていいよ」

遥ちゃんは言ってくれるけど、運転してもらってるのに一人残して寝るわけにはいかない。
わたしがすぐ寝ちゃうのを知ってての言葉だと思うけど。


「ううん、大丈夫。何か話しよっか。何がいいかな」

話題を探すように今日の出来事を頭の中で思い返していると、遥ちゃんが麻ちゃんの手当に行ったところで、頭の中がいったんフリーズした。

やっぱり何かひっかかる。。。
でも、なんとなく口には出したくない。
他の話題、他の話題……


「モーリーの結婚式、もうちょっとだね」

やっぱりこの話題かな。


「あぁ、そうだな」

「やっぱり遥ちゃんも結婚式は奥さんにお任せ派?」

「どうかな。俺も奥さんメインかなって思ってたとこあるけど…」

「えぇー、やっぱりそんなものなのかなぁ」


運転をしている遥ちゃんの横顔をちらちらと盗み見る。
いつ見ても整ってるなぁ。
たぶん、変顔しても変顔にならないんじゃないかな、なんてどうでもいいことを考えてしまう。


「うーん、男の立場で言うと。結婚式はお嫁さんがメイン、みたいに思ってるところがあって。だから、協力しないんじゃなくて、好きにさせてあげたいんだよ」

「そういうものなの?」


言いたいことはわかる。
わかるんだけど。


「でも、わたし、結婚式に限らず、いろんなことをちゃんと一緒に考えてくれる人を探すよ!」

ついつい力が入ってしまった。

遥ちゃんも「お、おぅ」と引きぎみだ。
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