幼なじみの彼とわたし
ぐすん…ぐすん…

あぁ涙が止まらない。


遥ちゃんの家についてすぐ順番にシャワーをあびて部屋着に着替えてから、借りてきたDVDを見始めて今エンドロールが流れているところだ。

借りたのはベタな恋愛もの。
遥ちゃんが一緒に見てくれるかどうかはわからなかったけど、1度映画館で見たことがあって、また見たいと思って言ってみたら、すんなりとOKしてくれた。


「亜衣、見たことあるんじゃなかったの?」


止まらないわたしの涙をティッシュで優しく拭き取りながら聞いてくる。


「うん、でも、感動しちゃったんだもん。ハッピーエンドでほんとよかったよ」


映画のだいたいはハッピーエンドなんだけどね。


「そうだな」


遥ちゃんはそんなこと言わずに隣に座っている。


「最後のプロポーズもほんとよかったー」


いろいろとなんやかんやあったけど、結局結ばれて。
出会ってから今までの写真や動画を彼氏がムービーにして、自宅で彼女のお誕生日パーティをした最後に流して、お友だちがいる中サプライズでプロポーズする、というものだった。


「亜衣はあぁいうのがいいの?」

「え?嬉しいとは思うけど、あれはちょっと違うかも」

「違うのかよ。違うのに泣いてるの?」

「うん、それとこれとは別」

「そのへんよくわからないけど。じゃあさ、亜衣の理想のプロポーズは?」


へ?
急に何?
至近距離で遥ちゃんはこっちを見ていて恥ずかしくなってくる。


理想かぁ。
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