幼なじみの彼とわたし
「いい大人なんですけどね」

こっちは苦笑いだ。

「でも、やっぱり早く行ってあげた方がいいかも。亜衣紗ちゃんも僕も。また連絡していい?」 

「え、あ、はい」

よかった、と言いながら森田さんはお友だちのところに行ってしまった。
わたしも麻ちゃんたちのところへ行かなきゃ。


「さっきの人誰?」

三人のところへ行くとすぐ麻ちゃんに突っ込まれた。


「モーリーの大学時代の友達だって」

「へぇー。なんて?」

なんて?って言われても…
なんか麻ちゃんからなんとも言えない圧が出てる気が…


「自己紹介されたから、わたしも自己紹介してきたかんじ?」

「ナンパされたの?」

いやいや。。


「いずみん、違うって。声かけられただけだって。で、自己紹介お互いにして…」

あと何話したかなぁ。


「亜衣紗ちゃん、それをナンパっていうんだよ?」

「違う違う。モーリーの同期だから声かけられたんだって」

「わたしたち、全然声かけられてないけど?」


そりゃそうでしょ。


「麻ちゃんは美人だし、いずみんはかわいいし。二人とも声かけづらいタイプだと思うよ、ハードル高くて。とりあえず、わたしみたいなのに声をかけてきたんじゃない?」


そこへいつもより少しだけ低い声が降ってくる。
遥ちゃんだ。

< 44 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop