幼なじみの彼とわたし
「スマホ渡してたたけど?」

「あ、うん。連絡先教えてって。やり方わかんないし」

「で、教えたの?」

「あ、うん、教えたよ」

「え?教えたの?」

「うん…、モーリーの友達だし」

「で、何か言われた?」

「何かって…。適当に話しただけだけど。」

「亜衣紗、彼氏いる?とか聞かれなかった?」

「何でわかったの?聞かれた」

「何て答えたの?」

「いないって」

「向こうは何て?」

「俺もフリーだから一緒だねって」

「そのあとは?」

「そのあと?」

「それで終わり?」

「あ、また連絡していいかって」

「で?」

「交換しておいてダメとも言えないから、いいですよーって」


三人の連携がいいのか、間髪入れずに代わる代わる質問をしてくる。
心なしか表情がこわいんだけど。
だんだん声が小さくなってしまうじゃない。


「はぁ…」


ため息なんてつかなくても。

「亜衣、知らない男の人に連絡先なんて教えちゃダメだろ?」

「う、うん、でも、モーリーの…」


お友だちなんだけどな、って言おうと思ったのに。


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