幼なじみの彼とわたし
なんとも思ってない人に好かれるかぁ。
わたしにはそんな経験ないけどね。
気持ちはなんとなくは察することができるかも。


そう納得していると、また麻ちゃんの目がこちらを向いた。


「でも、亜衣紗は相手いないって言うけどいるじゃない?長身でまぁまぁイケメンのが。どうなってんのよ?」

まぁまぁイケメンって。

さっきまでため息ばかりだったのに、今度はニヤっとした顔で見てくる。


「どうもこうも…。てか、また?遥ちゃんはそんなんじゃないって!」

遥ちゃんとは同期の一人で、西本遥平(にしもとようへい)。
大学は別だけど保育園から高校まで一緒のわたしの幼なじみ。
遥ちゃんは5月生まれ、わたしは2月生まれだから、同級生だけど兄妹みたいなかんじでもある。


「いや、いいって、そんなに隠さなくても。誰にも言わないからさ」

「だから、そんなんじゃないんだって!」


本当に違うのに。

幼なじみのわたしから見ても遥ちゃんはイケメンだと思う。
180cmくらいあるのかな?
聞いたことないから正確にはわからないけど、すらっとしたスタイルに色白。
目はくりくりっとしていて、鼻筋もすぅっと通っている。
ゆるくパーマをかけた黒髪でそれがまたよく似合っている。


それに対して、わたし、高森亜衣紗(たかもりあいさ)は身長は155cmほどしかなく、服の上からでも容易にわかる幼児体型。
目は二重だけれど、存在感のない鼻が悩みかな。


この二人が幼なじみって信じられないだろうな、と自分でも思ってしまう。
保育園から高校までと、地元が同じっていうこと以外に共通点を探す方が難しいかも。
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