幼なじみの彼とわたし
「ダメじゃん、全然」


え?


何にもないとかある?、とか、まだいずみんはひとりでぶつぶつ言っている。

何のことかわからず考えていると、麻ちゃんが布巾を持ってテーブルに戻ってきた。


「何の話?」


布巾でこぼれたところを拭きながら聞いてくる。


「え?あ、麻ちゃん、おかえり。あのね…」

さっきのいずみんとの話をしようと思ったら、いずみんに遮られた。


「あ、麻ちゃんの召集は何の話なのかなぁーって。」

わたしのほうを向いて、ね?って。
あれ?さっきの話は言わないほうがいいやつ?


「う、うん」

とりあえず話を合わせる。


「あぁ、それね。亜衣紗。あのモーリーのお友だちとはどうなってるのかなぁと思って。ねぇ、いずみんも気になってたでしょ?」


麻ちゃんはテンション高めだけど、聞かれたいずみんは、「あ、う、うん、そだね」というかんじ。
話を合わせているけど、すっかり忘れてました、みたいな反応だ。


麻ちゃん、よく覚えてるなぁ。
てか、話ってそれ?


「森田さん?どうなってるって…。」

実は一昨日の夜、LINEがきた。



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