幼なじみの彼とわたし
「だって、あの西本くんだよ?クールでポーカーフェイスの…」

「いずみ、こっちまで声聞こえてるから。仕事は仕事、プライベートはプライベートいずみもそうだろ?」

「うん、まぁ、そうだけど…。でも、同期で会ってるときもクール…」

「うん、まぁ。亜衣は特別だから」

いずみんは「きゃっ」と声が出るか出ないかくらいの大きさの声で短く言うと少し頬を赤らめたあと、「亜衣紗ちゃん、愛されてるね」とわたしの耳元で言う。

愛されてる?
わたしからすると、遥ちゃん=今目の前にいる姿、だからなぁ。


「うーん、愛されてるのとは違うと思うよ。ちっちゃいころから一緒だったからだよ」

そう返すと、いずみんは一瞬フリーズして遥ちゃんのほうを見た。

…気がした。


遥ちゃんもやや困り顔でいずみんを見てる?

…いや、気のせいかも。


そうこうしているうちに、セッティングも終わったみたい。


「今日もうまそうだな。じゃあ食べようか」

三人で、いただきます、をして食べ始める。


「ところで、いずみん。何か話があったんでしょ?」


そういえば、何の話かわからないままだった。


「うん、そうそう。金曜日、会ったんでしょ?森田さんに」


あぁ、そのことか。

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