幼なじみの彼とわたし
ん?
なんだろう。


「あのー、森田さん。亜衣紗はダメですからね?亜衣紗にはちゃんといますから」


ちゃんといますから…?
何が?
何がちゃんといるの?


首を傾げていると。


「亜衣紗ちゃん、彼氏いないって言ってなかったっけ?」


森田さんが聞いてくる。
あ、彼氏のことね。


「うん、いないよ。千尋、何言ってんの?」


今までいたことないし。
千尋もよく知ってるじゃん。


「いるでしょ?彼氏じゃなくても彼氏みたいな人が!」

「…?」


彼氏みたいな人って。


「ねぇ、なんで亜衣紗ちゃんより千尋ちゃんのほうが詳しいの?」


藤木さんも不思議に思ったようす。


「なんででしょうね…」


ははっと笑ってみるけど、千尋は顔は笑っているように見えるけど、怒ってるのかと思うくらい目がこわい。


「…千尋?」


なんでそんなに迫力満点なんだろう…
さっきまで「彼氏と別れた」と泣いていた人と同一人物は思えない。

そんなことを思っているとーーー。


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