幼なじみの彼とわたし
「わたしも今の彼と一年半くらいだからさ。今のところ予定もなにもないけど、するなら彼とかなぁとは思ってるよ」


へへっ、といずみんは笑った。

へぇー、いずみんに彼氏がいるとは聞いてたけど、もう結婚も間近なのかなぁ。
するなら彼と、って、彼氏のいないわたしには羨ましい言葉だ。


「いいなぁ。また決まったら教えてね」


いずみんに言ったあと麻ちゃんのほうに目を向けると、わかりやすくガックリ肩を落としている。


「あぁ、結婚したい…」


呟くほどの小さな声が聞こえてきた。
麻ちゃん、ほんと結婚願望強いんだなぁ。


そんな中、注文したコーヒーや紅茶とケーキが運ばれてくる。


「おいしそうだよ?麻ちゃん、食べよ食べよ」


とりあえず気分転換のため声かけてみる。
いずみんも、麻ちゃんの様子がおかしいことに気づいたのか。

「あ、言っとくけど、わたしが勝手に思ってるだけで、プロポーズもなにもされてないし、向こうはそんな気ないかもしれないし、ね?ごめん、だからわたしも結婚は未定と一緒だからさ。えっと…、とりあえず食べよう!」


いずみんが一生懸命フォローしている。


麻ちゃんも、「うん、食べようか。食べ物に罪はない」と少し前向きになったようで、そのあとは、いろんな話をして盛り上がった。

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