お前が好きだなんて俺はバカだな
朝になると、弟2人はいつもの様子を取り戻していた。

今日は2人で公園に行って遊ぶそうだ。

私は特に何もすることないな...。

先輩から連絡もこないし...。

先輩...もしかして私のこと...。

先輩とやりとりしてるメッセージ欄を見ながら、私はため息をついた。

そのとき、ちょうどメッセージが来る。

...なんか、気にして速攻で既読つけちゃう
面倒くさい彼女になっちゃった私...。

内容は、
今空いてる?
とのことだった。

そりゃあ...空いてます。

そういえば休日の予定とか特に話し合わなかったな...。

なんだろう。

喧嘩してるわけじゃないのに、
気まずい。

そう思っているところに先輩から電話がかかってきた。

「はい、もしもし。」

「もしもし俺だけどさ...。」

オレオレ詐欺の人みたい...。

「なんか声が聞こえるんですけど、誰かいるんですか?」

「いるよ。うるさいのが。」

「こんにちはー。」

この声、東條イルマ??

「先輩、今家ですか?」

「家から出たらこんなのがいたんだよ。
待ち伏せしてて...もううざい。」

「そうなんですか...。」

「助けてくれねえかな。」

「そんなこと言われても...。」

なんか、ある意味でオレオレ詐欺の手口みたいになってる...。

そこにきこえる、

「早く来ないと美礼くんを美味しく頂いちゃうよー?」

という物騒な言葉。

「先輩に手を出さないでください。」

「分かったよ。
まあ、僕は気が短いけどね。」

「えー...。」

「とりあえず、今学校の近くまで引きずってきてるから、そこまで来てくれ。」

「はい。」

「美礼くんを助けたいなら40秒で支度しな♪」

「え...40秒後に俺食われるの...?」

「さすがに40秒は無理ですけど、私が行くまで持ちこたえてくださいね、先輩。」

「りょーかい...。」
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