お前が好きだなんて俺はバカだな
「あの、先輩...。」

「なんだよ。」

「怒ってますか...?」

「別に怒ってない。」

「それなら、よかったですけど...。

先輩...大丈夫ですか...?」

「...何がだよ。」

「...その、何かあったのかなって...。」

「何もない。」

「本当ですか...?」

「ああ。」

「でも、2日も学校来てなかったから...。
携帯も電源切ってたみたいだったし...。」

「だからなんだ。」

「...心配、だったんですよ...?」

「お前が心配することないだろ。」

「私だから心配なんです。
せめて、一言でも連絡くれてれば、私だってそんなに心配しませんけど...。」

「そんなに気にすることかよ。
たかが2日学校休んだぐらいで。」

「気にしますよ。
だって、一応、彼女ですから...。」

「あっそ。連絡のひとつも寄越さないで悪かったな。」

なんでさっきからこんなに冷たいの...?

目も合わせてくれないし。

「そんなに、私と話すの嫌ですか...?」

「は?
なんでそうなるんだよ。」

「だって、さっきから素っ気ないじゃないですか。」

「お前がいちいちどうでもいいことしつこく気にするからだろ。」

「どうでもいいことなら、私にそれとなくでも話せるじゃないですか。」

「別にお前には関係ないだろ。」

「...関係ないとしても、連絡も何もしないのはよくないと思います。私の気持ちも少しは分かってくださいよ。」

「だから、それは悪かったって言ってるだろ。」

「だって、言い方が...本当にそう思ってるんですか?」

「思ってるに決まってるだろ。」

「そうなら、もっと...。」

「思ってるから!」

先輩が私を遮って大きな声を出した。

「...今日は勘弁してくれないか。」

「...。」

「今、気分がいいわけじゃないから。」

「...。」

「これ以上は、あまりきかないで欲しい。

連絡しなかったり、素っ気ない態度したのは悪かった。」

「...いえ、私も...ごめんなさい。」

「ああ...。」

その日は、なんとか喧嘩にならずに済んだ。

でも...。
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