お前が好きだなんて俺はバカだな
「結野ちゃん久しぶり〜。元気してる?」

「東條さん...先輩の携帯ハイジャックするのやめてもらってもいいですか。」

「そんなに美礼くんと電話したい?」

「したいですよ。先輩に代わってください。」

「あのさー。今日は美礼くんと一緒に買い物したりしたんだよ。ほぼデートだよね。」

「あの...人の話きいてます?」

「それでね。昼ごはん奢ってくれたんだよ。
美礼くんは優しいよね。」

「きいてないですよね...。
一回切ってもいいですか。」

「結野ちゃん。」

「え...はい。」

「今は僕が美礼くんの側にいてなんとかするから。だからあまり心配しないでね。」

「え、あの...。」

「じゃあねー。
また美礼くんから電話あると思うけど。
切るよ。」

「あ...。」

電話が切れた。

そういえば...先輩の事情をいち早く知ってたんだった...。

あの人はあの人で本当は優しい人なんだろうな...。

なんだか少しほっこりする。

先輩は表向きだったら関わりのある人多いだろうけど、東條さんは唯一の友達なんだろうなって思うから。

うーん、でもやっぱ別の意味で少し不安かも。

私はため息をついた。
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