お前が好きだなんて俺はバカだな
思いつきで、先輩を家に呼んじゃったはいいけど、何か特別なことができるわけじゃないんだよなぁ。
っていうか、弟2人と一緒に母の晩ご飯作りのお手伝いしてる...。
「先輩、お客様なんだから手伝わなくていいんですよ。」
「手伝うよ。その方が早いから。」
母はそれを見てにこにこしてる。
何も言わないけどいいのかな。
「じゃ、じゃあ私も手伝います!」
私も慌てて出来立ての料理を食卓まで運んだ。
先輩1人来るだけでこんなにもモチベーションが変わる...不思議。
食事の用意が大体できたぐらいに丁度父も仕事から帰ってきた。
お父さんには言ってないけど大丈夫かな...?
先輩は父の姿を見ると、丁寧に礼をして、
「おじゃましています。」
と言った。
「えっと、君は確か...。」
「遠谷美礼です。結野さんとお付き合いしています。」
「君が遠谷くんか。結野のことこれからもよろしく。」
「はい。」
...なんか受け入れ早い!
こんなにもすんなりと受け入れられちゃうと、なんか逆に後ろめたく感じちゃうかも...。
「ねーお父さん。
美礼さんを家に泊めてもいいよね??」
「ああ。狭いがゆっくりしていってくれ。」
「ありがとうございます。」
うわぁ...やっぱり凄いな、この家族の順応力。
先輩も...普段私と話してる時とは全然違って礼儀正しいし...。
いや、これが普通なのかな?
相手が私だから、先輩は素直に話してくれてるんだろうな。
それからも、一緒にご飯を食べたり、雑談をしたりする先輩を見ていた。
やっぱり...マナーはちゃんと守るし、気を使って話を合わせたり、相槌を打ったり、笑顔だったり...。
完璧主義っていうのかな...。
私と話すときもたまにそうなっちゃうんだと思う。
親しき仲にも...っていうのを感じすぎちゃうんだろうな。
そうやって怖くなっちゃう気持ち...なんとなく分かるかも。
でも、そうもしてられないのが家の特徴だったりする。
「美礼さんも、もう家族みたいなものだから遠慮しなくていいよ。」
「そうだよ!ほらほら、一緒に遊ぼうよお兄ちゃん!」
ほら出たこの2人が...。
お兄ちゃんって...。
「ちょっと待って。父さん今、遠谷くんと話してるんだけど。」
「また乗り物の話でしょー。」
「そうだよ。車とか、船とか、飛行機とか...。遠谷くん詳しいから。」
「それはお父さんに話合わせてるだけだよ。美礼さんの予備知識は半端ないからね。
政治、経済、芸能、スポーツ...なんでも知ってるよ、この人。」
そ、そうなの...?
「おそらく教養、めっちゃ高いんだろうね。」
「そんなことないよ。」
「仕草とか、言葉選んだりとかしてるの見れば誰だって分かるよ。
今まで苦労してきてんだろうなって。」
ヒガシは...相変わらず勘が鋭いな。
「確かに、遠谷くんはとても礼儀正しくて誠実だな。」
「そうね。初めて会ったときのお父さんに
そっくりよ。」
「え、そうかな...。少なくとも僕が高校生のときはこんなに上手く話ができなかったよ。」
今までこんなに面と向かって指摘されたことなんてなかったんだろう。
先輩は少なからず困惑している様子だった。
とはいっても、基本は冷静だけど。
「でも、普段姉ちゃんにはタメ口でしょ?
もっと言い方も違うだろうし。」
「それはそうだな。」
「姉ちゃんにも
あんまり粗相がないようにねー。」
ヒガシが冗談っぽくそう言ったけど...。
粗相ね...。
今までの先輩の言動を振り返ってみると、やっぱりそこは結構気にしてるような気がする。
私としてみれば、もっと粗相があってもいいぐらいかも...?
「遠谷くん。今まで結野も世話になってるし、君には本当に感謝しているよ。」
「こちらこそありがとうございます。
結野と一緒にいさせてくれて、本当に嬉しいです。」
先輩も嬉しいんだ...。
「それとここでは遠慮しなくていいからね。
...といっても、最初は難しいかもしれないけど。」
「いえ。ありがとうございます。」
「何かあったら家を頼ってくれて大丈夫だから。改めてよろしく。」
父が手を差し出した。
「こちらこそよろしくお願いします。」
先輩も手を出して握手する。
すごいな...。
「美礼さん、僕にも握手。」
「僕も!」
...ちょっと、握手会じゃないんだから。
でも、先輩はちょっと嬉しそうだった。
やっぱり連れてきてよかったかな?
「そういえば今日は姉ちゃんと一緒に寝るの?」
「え、だめ、
ちょっとそれはいきなりすぎるでしょ!」
「だってー、家もそんなに広くないし。
やっぱ姉ちゃんの部屋で一緒に寝なよ。」
「そうだそうだ。」
んな...この2人は!
そもそも...両親がそこまで許可するわけ...、
「そうだな。もし嫌じゃなければそうしてもらったほうがいいかも。」
「ええ、そうね。」
許可されました...。
っていうか、弟2人と一緒に母の晩ご飯作りのお手伝いしてる...。
「先輩、お客様なんだから手伝わなくていいんですよ。」
「手伝うよ。その方が早いから。」
母はそれを見てにこにこしてる。
何も言わないけどいいのかな。
「じゃ、じゃあ私も手伝います!」
私も慌てて出来立ての料理を食卓まで運んだ。
先輩1人来るだけでこんなにもモチベーションが変わる...不思議。
食事の用意が大体できたぐらいに丁度父も仕事から帰ってきた。
お父さんには言ってないけど大丈夫かな...?
先輩は父の姿を見ると、丁寧に礼をして、
「おじゃましています。」
と言った。
「えっと、君は確か...。」
「遠谷美礼です。結野さんとお付き合いしています。」
「君が遠谷くんか。結野のことこれからもよろしく。」
「はい。」
...なんか受け入れ早い!
こんなにもすんなりと受け入れられちゃうと、なんか逆に後ろめたく感じちゃうかも...。
「ねーお父さん。
美礼さんを家に泊めてもいいよね??」
「ああ。狭いがゆっくりしていってくれ。」
「ありがとうございます。」
うわぁ...やっぱり凄いな、この家族の順応力。
先輩も...普段私と話してる時とは全然違って礼儀正しいし...。
いや、これが普通なのかな?
相手が私だから、先輩は素直に話してくれてるんだろうな。
それからも、一緒にご飯を食べたり、雑談をしたりする先輩を見ていた。
やっぱり...マナーはちゃんと守るし、気を使って話を合わせたり、相槌を打ったり、笑顔だったり...。
完璧主義っていうのかな...。
私と話すときもたまにそうなっちゃうんだと思う。
親しき仲にも...っていうのを感じすぎちゃうんだろうな。
そうやって怖くなっちゃう気持ち...なんとなく分かるかも。
でも、そうもしてられないのが家の特徴だったりする。
「美礼さんも、もう家族みたいなものだから遠慮しなくていいよ。」
「そうだよ!ほらほら、一緒に遊ぼうよお兄ちゃん!」
ほら出たこの2人が...。
お兄ちゃんって...。
「ちょっと待って。父さん今、遠谷くんと話してるんだけど。」
「また乗り物の話でしょー。」
「そうだよ。車とか、船とか、飛行機とか...。遠谷くん詳しいから。」
「それはお父さんに話合わせてるだけだよ。美礼さんの予備知識は半端ないからね。
政治、経済、芸能、スポーツ...なんでも知ってるよ、この人。」
そ、そうなの...?
「おそらく教養、めっちゃ高いんだろうね。」
「そんなことないよ。」
「仕草とか、言葉選んだりとかしてるの見れば誰だって分かるよ。
今まで苦労してきてんだろうなって。」
ヒガシは...相変わらず勘が鋭いな。
「確かに、遠谷くんはとても礼儀正しくて誠実だな。」
「そうね。初めて会ったときのお父さんに
そっくりよ。」
「え、そうかな...。少なくとも僕が高校生のときはこんなに上手く話ができなかったよ。」
今までこんなに面と向かって指摘されたことなんてなかったんだろう。
先輩は少なからず困惑している様子だった。
とはいっても、基本は冷静だけど。
「でも、普段姉ちゃんにはタメ口でしょ?
もっと言い方も違うだろうし。」
「それはそうだな。」
「姉ちゃんにも
あんまり粗相がないようにねー。」
ヒガシが冗談っぽくそう言ったけど...。
粗相ね...。
今までの先輩の言動を振り返ってみると、やっぱりそこは結構気にしてるような気がする。
私としてみれば、もっと粗相があってもいいぐらいかも...?
「遠谷くん。今まで結野も世話になってるし、君には本当に感謝しているよ。」
「こちらこそありがとうございます。
結野と一緒にいさせてくれて、本当に嬉しいです。」
先輩も嬉しいんだ...。
「それとここでは遠慮しなくていいからね。
...といっても、最初は難しいかもしれないけど。」
「いえ。ありがとうございます。」
「何かあったら家を頼ってくれて大丈夫だから。改めてよろしく。」
父が手を差し出した。
「こちらこそよろしくお願いします。」
先輩も手を出して握手する。
すごいな...。
「美礼さん、僕にも握手。」
「僕も!」
...ちょっと、握手会じゃないんだから。
でも、先輩はちょっと嬉しそうだった。
やっぱり連れてきてよかったかな?
「そういえば今日は姉ちゃんと一緒に寝るの?」
「え、だめ、
ちょっとそれはいきなりすぎるでしょ!」
「だってー、家もそんなに広くないし。
やっぱ姉ちゃんの部屋で一緒に寝なよ。」
「そうだそうだ。」
んな...この2人は!
そもそも...両親がそこまで許可するわけ...、
「そうだな。もし嫌じゃなければそうしてもらったほうがいいかも。」
「ええ、そうね。」
許可されました...。