お前が好きだなんて俺はバカだな
裏道を通ってそれとなく案内されたのは、

小さなカフェレストランだった。

こうやって毎回先輩に案内してもらうところって、ひとつひとつ違うお店だな...。

わりと近くにあるのに、私が行ったことないお店ばっかり。

きっと古くからやってるんだろうな...。

室内がアンティークっぽく統一されていて、使われている小物やインテリアグッズもその場で買えるみたいだ。

「先輩...いつも思うんですけど、こういうところってどうやって見つけるんですか?」

「なんとなく。」

「なんとなくって、勘に頼ったら見つかるんですか?」

「そう。」

「ここにはよく来るんですか?」

「そうだな。最近はあまり来てなかったけど。」

「ひとりで...?」

「お前がいなきゃ基本、外出はひとりだから。」

「そうなんですか...。
ここ結構穴場っぽいですよね。」

「常連は教えないから、ここ。」

「ってことは...やっぱりご飯も美味しいんですかね?」

「食べてみれば分かるんじゃないか。」

「そうします。
おすすめって何かあります?」

「ここは基本、パスタとか洋食が売りだけど、個人的には親子丼が好き。」

「え...和食メニューあるんですね。」

「裏メニューだけど、夕方は賄い丼もやってる。」

...かなりの常連だな、この人。

まだまだこういう隠れたお店いっぱい知ってるのかな...。
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