お前が好きだなんて俺はバカだな

「姉さんどうしたの？
なんかずっと悩んでるみたいだけど。」

「え、何が？
何にも悩んでないよ？」

「ほんと？
なんかずっとそのカレンダーの前で唸ってる感じだけど。」

「え...？」

うそ。

そんなこと私...。

「あー。
分かった、遠谷さんに誕生日プレゼント渡すの？」

「え、いやいや。
そんなことは...。」

「鼻の下伸びてるけど。」

「ぅ...。

やっぱり変かな。」

「何が？」

「別れたのに贈り物とか。
いや、別に変なこと考えてるわけじゃなくて。
単にお世話になった人には返礼するべきでしょ？」

「まあね。」

「渡すって言っても大したことないものだし、逆に切り替えにもなるかなって。」

「そうだね。」

「って言っても何渡せばいいんだろ...。」

「...。」

「ねえ、ヒガシ。
一緒に考えてよ。」

「...別になんでもいいじゃん。
適当にお菓子でも渡せば？」

「お菓子っていってもいっぱいあるでしょ。
何のお菓子好きなんだっけ...。」

「...。」

「ケーキじゃちょっと重すぎるかな、
でもクッキーじゃ逆にあっけない感じだし...。」

「...。」

「ね、何がいいか考えてくれない？」

「...あのさ。」

「なに？」

「そんなに切り替え難しいならいっそのことやり直しできないかきいてみれば？」

「え、なんでそんな話になるのよ！
別に切り替え難しいなんて言ってないし、
そもそもなんで私からそんなこと...。」

「あー、はいはいわかった。
姉さんからしてそれは絶対ないってことね。」

「当たり前でしょ。
変なこと言わないでよ。」

「ごめんなさいおねーさま。」

なんなのもう...。