お前が好きだなんて俺はバカだな
「今日の夕飯何がいい?」

「お前が作った味噌汁が飲みたい。」

「なんか隅っこの方つついてくるね...。
メインディッシュ的なものは?」

「玉子焼き。」

「そんなのでいいの?」

「うん。甘めのやつが好き。」

「いつも仕事大変だもんね。」

「俺はそんな四六時中疲れてるわけじゃないよ。」

「でも、甘いの好きでしょ?」

「好き。」

「この前誕生日にあげたお菓子食べた?」

「食べたよ。」

「どうだった?」

「(*^ω^*)」

そんな笑顔で表現されてもー。

「ちゃんと感想言って?」

「美味しかった。とても幸せだったよ。」

小学生みたいな感想...。

も、なんか、こうして言われると、詳しくきくよりずっと気持ち伝わってくるかも...。

これも彼の魅力だったりする...。

「確かに、こんなに嬉しそうにされると、総務の方たちも頑張らなきゃってなるのかも。」

「ん?」

「いい人たちだよね、ってこと。」

「ほんとだね。」

ずっと彼は変わらないのかも。

少し構ってあげればこんなに嬉しそうに笑ってくれるのに。

...やっぱり苦い思いがする。

まだ私の胸の内を探って安心したいのかな。

非の打ちどころがなさすぎるのも問題だ。

問題っていうか心配。

私は彼にしてあげられることがあるだろうか。

「じゃあ、ご希望通り玉子焼きとお味噌汁作ってあげる。他にもいくつか作るよ。」

「ありがとう。」
< 330 / 335 >

この作品をシェア

pagetop