お前が好きだなんて俺はバカだな
次に寄ったのは、中古の楽器が売られている年代を感じる店だ。

入り口に入ると、なんか古くて味のあるピアノが並んでいた。

「先輩、何か楽器弾けます?」

「別にたいしては弾けない。」

「私も弾けません。」

「なぜに寄った。」

「何か楽器始めるのもいいかなって...。
ピアノじゃーんって...憧れますよね。」

「ピアニカかリコーダーで十分だろ。」

「ピアニカ...懐かしいですね。
あれ、結構凄い楽器じゃないですか。
ハーモニカやアコーディオンいらないんじゃないかって思います。」

「いや、それはないだろ。それぞれの良さがあるんだよ、多分。」

そんな話をしながら、楽器を見てまわった。

ピアノ、バイオリン、サックス、ギター、
昔からの民族的な楽器も沢山あって、なかなか面白かった。

ピアニカもリコーダーももちろんあった。

リコーダーって結構種類あるんだな...。

「何かお探しですか?」

店員さんが話しかけてきた。

見ると、こちらとはそんなに歳が離れていないぐらい若い男の人で、スタイルよくて背が高い。

優しそうな人...。

「えっと...あんまり知識ないんですけど、面白そうだなって。」

「そうですか。楽器に興味を持っていただけるなんて嬉しいです。」

「はい...でも、楽器ってやっぱり難しいですよね。ピアノとか少し習ってた時期もあったんですけど、難しくてすぐ辞めちゃいました。」

「クラシックなどを本格的に習う場合は難しいこともあるかもしれませんが、趣味を嗜む程度でしたら、比較的安価で簡単に楽しめるものも多いですよ。」

「そうなんですか?」

「はい、いくつかご案内しましょうか。」

「おねがいします!」
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