お前が好きだなんて俺はバカだな
白鳥さんと結構お話したな。

色々と博識だし、聞いてるだけでも面白い。

「先輩も白鳥さんみたいに優しければいいのにって思っちゃいます...。」

「先輩って、遠谷くんのことですか?」

「あ、はい。そうです。
あの人、強気だし意地悪なんですよ。よく分かんないことですぐに怒るし、まさに俺様って感じです。」

「そうなんですか。
それは意外ですね。」

「私も最初はびっくりしました。」

「でも、それは、やはり、美咲さんに信用を寄せている証と捉えていいんだと思いますよ。」

「そうなんですかねー。」

「僕もはっきり言える立場じゃないですけど、そういった思い思いの関係を築けるっていうのは羨ましいです。」

「そうですか?大変ですよ?」

私がそう言うと、白鳥さんは穏やかな笑みを浮かべた。

「そういえば、今白鳥さんって眼鏡してますけど、目が悪いんですか?」

「はい。あまり良くはないですね。
バイトのときは荷物を運んだりするので、コンタクトのときが多いですが。」

「普段コンタクトはしないんですか?」

「基本は眼鏡ですね。こちらの方が手間がないですし、目を見られづらいので、気が楽...ということもあるんです。」

「そう...なんですか。
でも、やっぱり、素顔のほうが、白鳥さんの優しいお顔がよく見えるのでいいんじゃないかと...、私が言うのもなんですけど。」

「...。」

「すみません、お気を悪くしちゃいましたか...?」

「いいえ。
素顔の方がいいなんて...誰にも言われたことがなくて。」

「そうなんですか?素顔のほうが素敵ですよ。」

「美咲さんにそう言ってもらえると、
嬉しいです。」

白鳥さんはにこにこしている。

ほんと優しい人だな...。
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