お前が好きだなんて俺はバカだな
そして、ついに学園祭本番。

「...お前、氷漬けエセラビみたいになってるけど、大丈夫か?」

「先輩...めちゃくちゃ緊張してますらび。」

「その様子なら大丈夫そうだな。」

「逆に先輩は緊張してないんですか?」

「今はそんなに。
直前で一気にくるタイプだから。」

「ああ...それは辛いですね。」

「だから人前は苦手なんだよな...。」

「大丈夫です。
失敗したらこの学校の後世に語り継がれるだけですから。」

「最悪のシナリオ...。」

先輩も、冗談言えるなら多分大丈夫だろう。

私が...しっかりできるのかな。

芸能部のお笑いがいつにも増してすべりまくっている中、次が生徒会バンドの発表だ。

既に会長や副会長にはどこ経由か知らないけど大勢のファンがいてここに集まっているみたいだし、薫子先輩の親戚一同総出で半端ない人数が集まってるし、何より美礼先輩の歌をききに来ている人でごった返している...。

ああ...これは不安。

とか思っているうちに、芸能部の発表が終わってしまったみたいだ。

「じゃ、お互いの健闘を祈る!」

と、会長が円陣を組んでそう言った。

今更だけど...マジか...。

でも、ここまで練習してきたんだもんな。

ここで失敗するわけにはいかない!
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