お前が好きだなんて俺はバカだな

「いやぁ...めっちゃ盛り上がった！
楽しかったね！！
また来年も生徒会メンバー集めてやろうよ！」

会長が満面の笑みでそう言ってくれたのだが。


「俺はもう二度とやりたくないです。」

「私もちょっと...。」

「えー？なんで！？
めちゃくちゃ大成功だったじゃん！
美礼のMCはお笑いよりウケてたし。」

「それはどうも...。」

おそらく会長以外はみんなそうだろうけど。

全力やったあとって...凄く疲れる...。

「とにかく、みんなお疲れ！
この後皆で打ち上げやらない？」

「ああ...反省会ですか？」

「そんなに反省することないと思うけど。」

「そうですよ先輩。
私のほうが反省すること多いですよ。」

「...まあ、お前の場合は、間違えずに弾けたからいいんじゃないのか。」

「そうですか？
ありがとうございます。」

それにしても、先輩凄かったな...。

ほんとに...見直しちゃった。

観客(主に女性)の目がハートだったもん...。

なんだか誇らしくもあるんだけど、同時に、なんとも言えない不安もあって...。

最近、先輩がすごく遠くに見える...。

こんなに、近くにいるはずなのに。

それに、やっぱり気になるのは...。

先輩のこと、会長は同じ生徒会メンバーとして、次期会長だって断言するくらい、信用しているんだろうけど...ほんとにそれだけなのかな。

先輩と話してるときが1番楽しそうだし。

そりゃあ、先輩は絶対ないって言ってたけど。

私より1年も多く、いや、話をきいてるとそれ以上、先輩のことよく知って...。

私が...先輩が楽器とか弾けるんだって知らなかったときも...。

(ピアノ弾いてるのみて...惚れる、なんて。)

あれは本当に冗談なのかな。

もしかして、本当なんじゃ...。

そういえば一時期、先輩と会長が付き合ってるんじゃないかって噂も...。

「よし。じゃあ打ち上げ行きますか！」

「打ち上げって...また去年みたいに焼肉食べたいとかいうんじゃないでしょうね？」

「せーかい！
ね、いいでしょ。生徒会優遇されてるから経費出るし！」

「無駄に音響の出費抑えてたのそれのためじゃないですか？」

「まあ、それもあるかなー♪」

...。