お前が好きだなんて俺はバカだな

「えっと...。
これでいいってことですかね？」

「...。」

先輩は、ざっと私の解き直した解答をチェックした。

「...。」

「先輩？」

「なんか、俺が勝ったのに負けた気がするな。」

「え、どうしてですか？？
先輩が説明してくれたおかげでこんなに分かるようになったんですよ？」

「本当に？」

「本当ですよ。なんで疑ってるんですか？」

「馬鹿とか言うわりに、理解するのは早いんだな。」

「えへへ。
先輩が教えてくれたからですかねー？」

「いや、その前の、あいつに...。」

「え...？」

先輩...私がちゃんと答えを導き出せたのに、なんか浮かない顔してるな。

「先輩、どうしたんですか？」

「...いや、なんでもない。」

「そうですか...。
あ、先輩そういえば...。」

「なんだよ。」

「あの...数学の課題もう一個あるんですよ...。」

「もう一個？」

「...そうなんです。
私が大の苦手としてる...空間図形の問題が...。」

「...ほーう...。」

先輩、なんで一転して楽しそうなんですか。

この様子だと、二戦目が始まりそうだ...。