お前が好きだなんて俺はバカだな
終業式が終わったあと、生徒会でまた集まりがあった。

気がのらないまま、生徒会室へ重い足を運ぶ。

まあ、こちらの気など全く知らないと言った感じで、全員揃っている。

「とりあえず、定期的に駅周辺とか、娯楽施設は見に行かないといけないけど。
問題は、イベントだよね。
今年も、夏祭りやるんだっけ。」

「やりますよ。
それもかなり規模を拡大するみたいですね。」

副会長は夏祭りのチラシを片手に、そう言った。

「なるほど、ここは絶対チェックだよね。
私はこの日暇だから手伝えるよ。美礼はどう?」

「特に予定はありませんけど。」

「じゃあ、私と一緒に夏祭り行こうよ。」

...また、一緒に...。

「あくまで素行不良の生徒がいないかどうかの調査のためですからね。
また、去年みたいにはしゃぎすぎるのは駄目ですよ。」

「分かってるって。
でも、ちょっとだけ花火見るのはいいでしょ?」

「ちょっとでもだめです。」

「美礼のケチー。」

「会長から言い出したことなんですから、ちゃんと責任もってください。」

「分かってるよ。
誠と正恵も大丈夫だよね?」

2人は頷いた。

「結野は来れる?」

「...はい。」

「じゃあ、決定。
集合時間と場所は...。」

こうして、また誰も何もいうことなく、会長の指示通りに物事が決まっていく。

私はそのことに、未だに違和感を抱きつつも、その指示を鵜呑みにするしかなかった。

本当は...1番臆病で自分勝手なのは、私なんだ。

こうやって、今も、流されてばかりで何もいえない。

先輩のいうとおりだ。

そう、頭では分かっていても...。
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