お前が好きだなんて俺はバカだな
白鳥さんと道を別れて少ししたとき、

先輩からメッセージがきた。

「まだ怒ってるのか?
って...。」

そりゃあ、まだ怒ってますよ。

また追加でメッセージ。

「ごめんって...。
ふふっ。
もー、勝手な人だな...。」

そのまま既読無視しちゃおうかな...。

なんて。

先輩から追い討ちの電話がかかってきた。

こっちもこっちで...必死だな。

「もしもし...。」

「お前、今どこにいるんだよ。」

「もう帰ってます。」

「帰ってるって...。
そんなに根に持たなくてもいいだろ。」

「別に根に持ってませんけど。」

「もう、機嫌直せよ。
生徒指導だって、別に毎日ずっとやるわけじゃないんだから。」

「もうそれはいいです。
話すと疲れますから。」

「おい...そんなことまで...。」

「先輩が言ったんでしょう?」

「...どうすれば許してくれるんだよ。」

「え、もしかして先輩、
寂しいんですか?」

「別に寂しいとかそういうんじゃ...。」

「ふーん。
そうですか。」

「...寂しいよ。」

「え?」

「寂しいって言ってんだろ!
このばかっ!」

プツン、と電話が切れる。

もう...。

そっちの方が怒ってるんじゃないの...?

「また電話...´д` ;

...もしもし、先輩?」

「で、今どこにいるんだよ。」

「もうすぐ家の前ですよ。」

「ひとりか?」

「そりゃ、今はひとりですよ...?」

まあ、さっきまで白鳥さんといたけど。

そんなこと先輩に言ったらまた怒られそうだから、秘密にしておこう。

「...腹減った。」

「は?」

「ずっと話し合い付き合わされてたから、何も食ってないし、腹減ったんだよ。」

「私もまだお昼は食べてないですよ。」

「付き合え。」

「え...お昼ぐらいひとりで食べれるでしょ?」

「お前に話さなきゃならないことが沢山あるんだよ。」

もう...先輩、素直じゃないな。

でも、さすがに、これ以上いじめるのはかわいそうかな...?

「仕方ないですね。
ちょっとだけなら付き合ってあげますよ。」

「...。」

「それでいいんですよね?」

「...うん。」
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