お前が好きだなんて俺はバカだな
先輩と合流して、ご飯を食べに行くことになった。

「そういえば、先輩。私に何か言うことありませんか?」

「...昨日は、ごめんなさい。」

「ふふっ、先輩、
可愛いですね。」

「なんだよ、それ。
可愛くねえよ。」

先輩は、相変わらずツンケンしている。

でも、それが一番先輩らしいかな。

「私も、すみませんでした。
カッとなっちゃって。」

「...許してくれるなら、それでいい。」

「はい、
仕方ないんで、許します。」

「...ありがとう。」

でも...良かったな。

これで終わりってことにならなくて。

先輩にもういいって言われたとき、なんか、私と一緒にいるのを諦められちゃったような気がして...。

本当は怖かったんだ。

「お前のこと、ちゃんと好きだよ。」

「ほんとですか?」

「本当だよ。
昨日は、また...
もしかして、また、俺のこと嫌いになって、そう言っちゃうんじゃないかと思って、怖かったから。」

「え、怖かった...?」

「うん。」

「私も...ちょっと怖かったです。」

「...そうか、ごめん。
喧嘩はないに越したことはないよな。」

「そうですね。」

先輩がそうやって仕方なく笑っているのを見ると、私も仕方なく笑みが溢れてしまう。

やっぱり、こうやって、笑い合うときが、

1番、幸せかな。
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