答えのないもの(超短編)
何もかもに期待しなくなった時
幻聴が聞こえるようになった。
『死ね、お前なんか必要ない』
そんな言葉が毎日どこでも聞こえてくる。
死にたくなった。
ある日、痛くて痛くて動かないはずの体が
何故か動いて気がついたら
団地の10階に足をかけていた。
遠くから聞こえてきた話し声でハッとした。
本気で死のうとしていたのだと気が付いた。
自分が怖くなった。
高校2年生という、子供と大人の狭間で
大人にはなれないと
自分には大きすぎて背負えないと嘆いた。
そんな時、主治医が変わると聞き
不思議と病院に行く気になった。
その出会いで私は大きく変わる。
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