カッコウ
「お父さん、実は大変な事がわかって。大翔は俺の子供じゃなかったんです。」

孝明が静かに言うと、父は訳がわからない顔をする。

孝明とみどりを交互に見て、
 
「何?どういうこと?」と聞き返す。
 
「大翔の父親は俺じゃなかったんです。」 

何も言えないみどりに代わって孝明は言う。
 
「じゃ、誰が大翔の父親なんだ。」

ただならぬ顔の孝明とみどりに、父も事態の深刻さを理解し、父はみどりに向かって問いかける。

みどりは俯いたまま、何も答えない。
 
「みどり。どういうことだ?」

少し声を荒げる父に、
 
「俺と知り合う前に、みどりが付き合っていた人の子供だそうです。」

もう一度、孝明は応える。
 
「えっ。本当なのか。みどり。」

父はみどりに詰め寄る。みどりが小さく頷くと、
 
「何やっているんだ、お前は。」

父は驚いた顔でみどりに言う。 

半分立ち上がって、動揺と怒りで父の顔は真っ赤になっていく。
 
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