カッコウ
みどりと離婚して一年が過ぎた頃、
 
「麻美のご両親に挨拶したいな。」

と孝明は言う。

麻美は北陸の出身で、一人暮らしをしていた。

最近はほとんど孝明の部屋で過ごす麻美。
 
「本当?」

麻美は大きな目を潤ませる。
 
「俺がバツイチでも許してもらえるかな。」

孝明の一番の不安。麻美は大きく頷いて、
 
「私、強情だから。反対されても譲らないし。」

と言って孝明に抱き付いた。
 
「結婚してくれる?」

麻美を抱きしめて孝明が言う。

麻美は孝明の胸に顔を付けて
 
「ありがとう。」と答えた。
 


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