カッコウ

茂樹からは、週に一度くらいメールが届いた。

みどりが素っ気なく応えると、徐々に懇願するような返信が届く。

動揺しないわけはないけれど。今、戻ったら二度と断ち切れない。

みどりも必死で抑えていた。
　
このまま孝明と過ごす時間が増えれば、自然と茂樹のことは忘れられる。

孝明は優しくて、いつもみどりを大切にしてくれたから。

まだ体を重ねても茂樹から得られるような到達感はなかったけれど。

でも心が満たされていたから。大丈夫、必ず忘れられる。

みどりは自分に言い聞かせていた。