カッコウ
終わりを告げることなどできない。話し合うことなどできない。

体は正直に茂樹を求めている。

みどりを先に満たした茂樹は、執拗に歓びを与え続ける。

何度も登りつめたみどりの体は、甘く茂樹を果てさせた。
 


「みどりは最高だ。俺はみどりじゃないと駄目だ。」

終わった後に茂樹は言う。

今まではすぐシャワーに向かっていた茂樹なのに。
「みどりもわかっただろう。俺達は体の相性が抜群なんだよ。」

何度も果てたみどりは気怠く、横たわったまま言葉もでない。

茂樹は囁き続ける。
 
「俺と離れるなんてみどりもできないだろう。」

みどりは小さく頷いてしまう。
 
「体だけの関係でいいんだよ。俺には家族があるから。みどりに彼がいてもいいんだ。今まで通り、体だけの関係を続けよう。」

茂樹の言葉に何も言えないみどり。
 
「彼にわからないように会えば大丈夫だから。みどりが欲しくなった時にね。」

さっきの快感を思い出して、みどりは頷いてしまう。

茂樹はみどりの頭を軽く撫でて、シャワールームに消えていった。
 
 


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