カッコウ
みどりと孝明の関係は順調に続いていた。

週末は孝明のアパートに泊まるみどり。

孝明は穏やかな愛でみどりを包み、みどりも孝明との時間に癒されていた。
 
それなのに、茂樹の誘いをみどりは断れない。

茂樹との関係は体だけなのに。体だけだからこそ、離れることができない。

あの日からまたみどりは茂樹に会っていた。
 
孝明を騙しているという思いが、みどりに強い歓びを与える。

そして自分は平凡ではないという思い。

罪悪感と優越感にみどりは夢中になっていた。
 



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