カッコウ
週末は孝明の部屋に泊まるみどり。

抱くほどに孝明は、熟したみどりの体に捕らわれていく。

大学時代に付き合った彼女達はもっと未熟だった。

みどりの体に夢中になる程に、孝明の不安は募っていった。
 


みどりは以前、どんな付き合いをしていたのだろう。

高校生の彼が、みどりを開いたのだろうか。それはないだろう。しかも4年も前に。

でも今のみどりに男性の気配はない。
 
「みどり、就職したらこの部屋に住む?」

みどりを離したくないと思いながら、孝明は全面的にみどりを信じきれなかった。
 
「えっ。いいの?」

みどりは驚いた顔で孝明を見る。

時々、妙に熱く孝明に応えるみどりに孝明は溺れていた。

最初に感じた掴みどころのなさは、そのままだったけれど。

でも孝明はみどりを離したくないと思い始めていた。
 
「それ、プロポーズ?」

目を潤ませてみどりが聞く。孝明は小さく頷いて
 
「あと1、2年働いて、もう少しお給料増えたらちゃんと入籍しよう。」と答えた。

嬉しそうに微笑むみどりに
 
「その時、ちゃんとプロポーズするよ。」

と言ってみどりを抱きしめる。みどりは
 
「ありがとう。」

と言って孝明の胸に顔を寄せた。

一緒に暮らして、ずっと側に居ればみどりを信じられる。

その時、孝明の心には、まだ少し不安があった。みどりを愛していたけれど。
 
 

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