カッコウ
みどりが出産を3か月後に控えた春、孝明は名古屋へ異動の辞令を受ける。
 
「俺、先に行くから。みどりは産まれて落ち着いてから来ればいいよ。」

大翔を抱えての出産は、母の協力が必要だった。孝明は寛大に言う。
 
「パパ、一人じゃ大変でしょう。」

みどりが言うと、
 
「俺よりみどりが大変だろう。大翔もいるし。早めにお母さんの所に行ったほうがいいよ。」

孝明は大翔を抱いて言う。
 
「ありがとう。私はまだ大丈夫よ。それにパパ、土日は帰って来るでしょう?」

みどりは甘く孝明を見つめる。
 
「もちろん。ヒロ君に会いに来るよね。」

と大翔の頭を撫でる。
 


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