カッコウ
そしてみどりも、孝明と離れることで、心が軽くなっていた。

毎日、大翔を可愛がる孝明を見ることは辛かった。

何も知らずに孝明に懐く大翔も不憫だった。

孝明と大翔から、自分の罪深さを突きつけられていたから。
 


みどりも大翔も、孝明のいない日々に慣れていく。

大翔と二人の生活は気楽で、みどりは伸び伸びしていた。

週末には必ず、孝明は帰ってきてくれたから。
 


孝明もまた、一人の生活を楽しんでいた。

新しい部署での仕事は、それなりに大変だったけれど、一人の生活は気楽で解放された。

週末みどりに会うと、今までよりも優しい気持ちになっていることに気付く。
 

すべてをオープンに共有したい孝明と、決して言えない秘密を抱えたみどり。

歪みができて当然だった。遠距離の生活は二人を癒していた。

そしてその罪悪感が相手への優しさになっていった。
 
 

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