カッコウ
大翔が小学校、悠翔が幼稚園に入る年。

孝明は二人を連れて公園に行く。

いつもと同じ土曜日。

みどりは家事を片付ける。

だいぶ暖かくなった2月の午前中。

午後は買い物に行く予定だった。
 


「ママ。大変。お兄ちゃんが自転車で転んで足をけがしたよ。」

悠翔が走ってみどりを呼びにくる。
 
「どうしたの?パパは?」

驚いたみどりは悠翔に問いかける。
 
「お兄ちゃんを抱っこしてくるから。ママ病院に行く用意して。」

悠翔の言葉にみどりは慌てる。
 
「パパはどこ?」

みどりは部屋を飛び出し悠翔に聞く。
 
「ママ、こっちだよ。」

悠翔の案内で走り出すみどり。

向こうから大翔を抱いて歩いてくる孝明が見えた。
 
「どうしたの?」

みどりは走り寄る。
 
「自転車で倒れて。骨折しているかも。すぐ病院に連れて行こう。」

孝明は心配そうに大翔の顔を覗く。
 
みどりが車を運転して救急病院へ向かう。

痛みに泣く大翔を抱いて
 
「大丈夫だよ。すぐ病院に着くからね。」

と孝明は言う。
 

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