カッコウ
この時はまだ幸せだった。

大翔の怪我だけが心配で。

家族の心は一つだった。

そのあとのことを誰も予想していなかった。

春のはじめの、微かに梅が香る季節。

穏やかな幸せはずっと続くと信じていた。

家族みんなが。
 


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