からふる。~第9話~
青波先輩って確か水泳部だよね。


肩幅があって他の人よりはがっしりしてるし、筋肉もある感じなんだけど、力ずくじゃなくて包み込むようなそんな抱き方。


なんて、解説してる場合じゃないのですが。



「君に伝えたいことがあって来た」


「は、はい...」


「俺は紗彩が好きだ。一目惚れなんだ。最初に見た時、君の瞳が俺の心を射抜いた。他の女子とは違う。君には何か強く俺を惹き付ける特別な魅力がある。それがなんなのか今はまだ分からないけど、一緒に過ごすなかで君の魅力をたくさん見つけていきたい。だから...」



ゆっくりと解放され、くるりと体を回転させられる。


うわぁ...。


やっぱり何回見ても綺麗な瞳。


青く澄んでいてまるでパラオの海だ。



「だから、俺と...付き合って下さい」



え、


え、


えーーっ?!


つ、付き合う?!


私、私、私...告白されちゃったのぉ?!


待って待って。


ここに来て2日目だよ。


本当にパニック、パニック、パニックぅ!


な、な、なんて答えたらいいの?


断るんだけど、どう断ればいいの?


ど、ど、ど、ど...どうする?


何が正解?



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