【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「途中から。食えたものではなくなった」

「え?」

「貴様の香りと。目の前の餌の味が混ざり。吐き気をもよおした」


よくわからないけど、

甘いパフェの香りを嗅ぎながら焼き魚を食べるような気分かな。


まったくジャンル違うものの組み合わせ。


焼きたてのアップルパイから漬物の香りがしたら、どっちとも好きな人でも、さすがにビックリするもんね。


漬物は漬物特有のツンとした香りがする方が安心できる。


邪魔してごめん、と言いたいところだが

用事あって通ったんだし仕方なくない……!?


「……あ。だから、あのとき」


わたし、睨まれたのか。


こっち見て『失せろ』みたいな

あんな怖い顔を向けてきたんだね?


わたしの香りで困ってたから。


なるほど、謎が解けた。
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