【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
大丈夫。
悪魔に心は奪われていない。
素直にセロに感謝したい気分。
一人の人間として、一人の悪魔にお礼を言いたくなった。
セロが「フッ」と薄笑いする。
不覚にも、そのイジワルな笑顔に心臓が跳ねた。
顔がよすぎるって……本当に、罪。
「俺に惑わされ堕ちてきた人間は腐るほどいるが。救われるとはな。物好きめ」
「そんなことないよ。なんだかんだ甘いモードのセロに学校で会えることで元気をもらっている子っていっぱいいると思うし」
「貴様でなければ意味がない」
「え?」
「俺が元気にするのは刹那だけでいい。だから。笑っていろ」